2009年11月16日月曜日

木へのこだわり




約20年前に新築されたお客様から玄関の戸を交換したい、とご依頼がありました。
お施主様はサッシや玄関戸にこだわりがあり、新築時には東京へカナダ製の窓や玄関戸を購入しに行ったほどです。
当時、親方は「外国製は日本の風土に合わない作りになっているから敬遠したほうがよい。」と助言したそうです。
特に不便なのは雨に対する機能だったようで、大雨が降ると雨漏りが起こりやすい構造だったようです。しかし寒さに対する機能は優れていたようで木製の枠にペアガラスがはまっているものでした。
金額も目が飛び出るほど高価だったそうです。

玄関戸も木製のため雨に弱く、下の方はもちろんですが全体的に劣化が激しくなっていました。
何度かご自分でペンキの塗り替えをおこなったようですが、いよいよ交換が必要な状況になったと思ったそうです。
このように手間がかかる木の戸ですから、今回はアルミ製のものを選択されると思いました。
しかしお施主様は「木の戸は手入れがたいへんだけど風合いが気に入っている」という理由で似た感じで建具屋さんに作ってもらいたいというご希望でした。
作る側の建具屋さんでさえ、「サッシのほうが腐らなくてよくないか?」と言うほどですが、お施主さまは腐るというデメリットよりも風合いが好きというメリットを優先されたようです。

普通の方ならば木は腐ることに懲りて2度目はサッシにすることが多いのですが、ここまでこだわりがあるお客様もめずらしいです。
とても感心しましたね!

とはいえここまでこだわりがない方は、外の部分(雨や天日にさらされるところ)に木を使用する場合は劣化が激しいため手入れの頻度が増すということを承知のうえ使用するようにしてください。
将来こんなはずではなかったと後悔する恐れがありますので・・・。

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